変形性膝関節症という診断で来る患者さんについて。
変形性膝関節症、というのは、要は膝が変形している、と言うことしか表していない。
膝が変形していて、何らかの症状がある場合にこの診断がつくが、痛み方も、痛み以外の症状も千差万別だ。
個人差もあるが、そもそも痛い組織や、痛みの出る負荷のかかり方などの条件が、この診断では揃っていない。
このため、変形性膝関節症、という名前で一括りにしてしまう現状では、膝のための〇〇運動!というような運動で、効く人、効かない人、悪化する人と色々出てきてしまう。
また、適切な対処をすれば進行を予防できる場合でも、それが行われずどんどん悪化し、手術や閉じこもりに繋がってしまう。
しかも、大腿四頭筋訓練やストレッチなどを推奨されているままに鵜呑みにして、実施して効果が出ない、という状況からリハビリは効果がない、と患者さんやドクターに思われてしまう、という最悪な状況に出会したことすらある。
前の病院でやった電気とマッサージだけのリハビリで効果がなかったから、と、最初からリハビリを断っている状況だ。
これに関しては当院のドクターが説得してくれて、幸い私が担当でき、改善させることができ、患者さんの信頼も得ることができたが、業界全体的に知識をアップデートしていく必要がある。
今回は、私が学んできた組織、力学について、私の理解した範囲で書いていきたい。
概ね園部俊晴先生、山田英二先生の著書の知識が中心となり、それに自分の臨床の感覚を合わせたものになる。