ぐんまのぴっち

8年目理学療法士。3年目まで回復期、4年目以降ずっと総合病院急性期勤務。

整形

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法について~6〜 患側への荷重方法、歩行介助

長かったこの記事も、とうとう患側を使ってどう歩行を獲得していただくか、どう指導するか、いう話に入る。 大腿骨近位部骨折手術後の患者さんが歩けない理由は、おおむね患側に体重をかけられないことだろう。 中には前面の滑走障害から振り出しに痛みのあ…

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法について~5~ 表層の屈曲制限への対処

今回は、患側股関節可動域制限についての最後になる。これは最も分かりやすい制限だと思われる。手術で切った傷自体が痛いから動かない、というもの。 奥の筋肉に関しては組織の修復を待ちつつ他のリハビリを行うが、表面の皮膚や、皮膚の下(皮下)の筋膜自…

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法について~4~ 筋間の滑走障害・インピンジによる鼠径部痛

今回も、前回同様、患側機能の向上の話。 痛みや筋出力低下で、可動域の低下を来して姿勢変換が困難となることについて。 よくある屈曲の可動域制限の改善方法についての話の続きである。 今回は、骨頭周辺の筋肉の癒着や挟み込みの問題について。 これは、…

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法について 〜3〜 骨の動きから見た屈曲制限

ここからは、患側機能の向上の話に移る。 患側股関節の機能低下で主な問題となるのは、以下の2点だろう。 1点目は、痛みや筋出力低下で、可動域の低下を来して姿勢変換が困難となること。 2点目は同様の理由で、立位をはじめとした荷重困難、支持性が低下し…

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法 〜2〜 健側機能の向上から図る早期ADL改善

前回の大腿骨近位部骨折のテーマで、手術自体と手術後の注意点を述べた。ここからは術後のリハビリについて書いていく。 術後のリハビリは活動性の確保と、患側機能の向上の2つに分けられる。今回は活動性の確保について述べていく。 術後の廃用を防ぐための…

大腿骨近位部骨折術後の急性期理学療法 〜1〜 病態、手術について

理学療法士が実習や新卒でオーソドックスな疾患として担当することの多い大腿骨近位部骨折の手術後の患者さん。 養成校では解剖や運動学などを学び、疾患については整形外科、神経内科など科毎に総論を学ぶのみで各論は実習地の教育や自己研鑽に任せられてい…